



現在、消火器はおおむね8年のサイクルで回収されるか、内部の消火薬剤のみを詰め替え再使用されています。回収された消火器の容器は分解後リサイクルされますが、消火薬剤はこれまで産業廃棄物として処理されてきました。その量は日本全国で年間約1万トン(一般的な消火器約380万本分)。このまま廃棄をつづけていたのでは重大な環境問題を引き起こしかねない・・・。モリタグループは循環型社会の実現に向け、この廃棄物を何とか有効利用できないかと考えました。
消火薬剤の大部分は窒素とリンから構成されています。肥料の主要な3要素と呼ばれる窒素・リン・カリウムのうちの2つを含んでいるのです。さらに重要なことに、リンは植物の根の成長を促すのに必要不可欠な肥料成分なのですが、工業生産ができず、その原料の100%を海外から輸入しているのが現状です。それが国内で生産できるとなれば農業生産者にとって画期的な出来事。モリタグループではそうした部分にも着目し、2000年10月より研究をスタートさせました。
消火薬剤には性能上、肥料原料として利用しにくい点がありました。
この点を克服するため「すりこぎ」の要領で疎水面を削り、
水溶化する技術を確立(特許:第3772181号)。
これにより肥料化するための問題点を克服し、
2002年10月に「モリタ1号」は農林水産省から
副産複合肥料として肥料登録の認可をいただきました。
福岡県築上郡:親水化処理をおこなったモリタ1号を液肥に加える →

ご紹介した技術などで、日本初! 消火薬剤のリサイクル肥料
「モリタ1号」が誕生。しかし一連の研究開発は、
モリタグループがこれまで培ってきた技術だけでは
決して成し得ないものでした。今回は、
北海道の帯広畜産大学 畜産学部
環境総合科学講座の近藤錬三(こんどう れんぞう)教授を
中心とした研究チームとの産学共同研究を実現し、
さらに北海道立工業試験場の技術指導を受けて確立したものです。
それが、今後のモリタグループに新たな広がりを
予感させる代表的な事例ともなったのです。
福岡県築上郡:モリタ1号を加えた液肥を散布する →

現在、福岡県築上郡、長崎大学、佐賀大学と「消火器肥料リサイクル共同研究会」を発足させ、さらなる研究を進めています。特に循環型農業を積極的に実践する福岡県築上郡とは、「モリタ1号」を人の排泄物から生成された液体肥料に加えることで肥料全体としてのバランスを改善。この改良型の液肥を使って、昨年はレタスと高菜で栽培実験を行い、その効果と安全性を実証しています。また今年は稲の栽培実験がスタートしています。

一連の成果が実り、経済産業省の募集する「平成16年度 循環型製品・システム市場化開発事業」に応募申請したところ、見事採択されました。本事業のさらなる発展が期待されます。
モリタグループは、この「モリタ1号」を生み出す技術を手始めに、「循環型社会」にさらに貢献ができるよう努力をしてまいります。今後のモリタグループに、益々ご期待ください。